遺産
ある男が街を歩いているとひとり寂しく飲んでいる友人をみつけた。
その男は友人隣に座ってどうしたんだと話し掛けた。
「6ヶ月前に父親があの世にいっちまったんだ。」
「気の毒になァ」と男は答えた。
「生命保険も高額にかけてくれていたんだ・・・。」
「残した家族の事まで考えてくれていたんだなぁ。」と男は答えた。

「その翌月には母親があの世についていったんだ。」
「お前もほんとにつらい思いをしたんだな。」男はそう答えた。
「母親もヘソクリやら何やらで結構な額をおれに残してくれたんだ。」

「そしたら4ヶ月前におじいちゃんとおばあちゃんが揃って天国に行っちまったよ。」
「・・・。」男は黙って聞くことしか出来なかった。

「すべて俺に相続すると遺書に書いてあったんだ。」
「・・・」男はあまりの不幸な出来事に同情して涙が滲んできた。

「それから3ヶ月の間・・・」
涙声になった友人は話しを続けた。

「まだ誰も死なないんだ。」
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